君に語るレントンの物語「劇場版交響詩篇エウレカセブンハイエボリューション1」を観てきました【感想・レビュー・ネタバレ】
アニメリブートブームですかね?
まずは第1弾。
遅ればせながらレビュー書きました。
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世界を揺るがせた「ファースト・サマー・オブ・ラブ」からおよそ10年。塔州連合軍軍学校に通うレントンは、人々から尊敬されている亡き父の偉大さや単調な日々など、全てを息苦しく感じていた。ある日、レントンは世界で最も古いLFO(人型機械)のニルヴァーシュを操るエウレカと出会う。ここから人類と異種知性体スカブコーラルの未来が動きだす。
- シネマトゥデイ -
本作はTVアニメで4クール放送されていた
交響詩篇エウレカセブンに新規カットを含めて再編集された
いわば総集編的立ち位置の作品。
とはいえ、劇場版と題しているのでそれよりは期待を持ちます。
なんせ今回はTVアニメでは描かれなかった、
主人公レントンの父、アドロックが英雄と呼ばれるに至る、
「ファースト・サマー・オブ・ラブ」という事件を扱います。
アドロックの他、ゲッコーステイトの中心メンバーとなるホランドやタルホなど軍にいた頃の姿が描かれる他、ホランドの兄、デューイが収監される前の姿も観る事が出来そうです。
総監督は京田知己。
エウレカセブンシリーズの監督を務めた他、劇場版ラーゼフォン多元奏曲の監督、多数のアニメ絵コンテとして参加している。尊敬する人物に庵野秀明監督をあげる。
監督は清水久敏。
シリーズではエウレカセブンAOに参加。数々のアニメの演出、絵コンテを担当する。
夏目友人帳や宇宙兄弟、鋼の錬金術師FULLMETAL ALCHEMISTなど。
主人公レントン・サーストンは三瓶由布子
少年のような声質が特徴でTVアニメでのレントン他、昨今ではNARUTOシリーズのナルトの息子ボルトの声を担当している。
本作ではビーム夫妻の養子となっており、実質クレジットではレントン・ビームスとなっている。
ヒロインであるエウレカは名塚佳織。
10月21日公開の劇場版コードギアス三部作でもナナリー・ランペルージとして出演の他、8月に公開された劇場版Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 雪下の誓いでも朔月美遊で出演。
物語の最初から人間ではなく、対話型コーラリアンという素性が出ている。
レントンの父、アドロック・サーストンに古谷徹。
TVアニメでは声を発することがなかったが、10年前のファースト・サマー・オブ・ラブを描くにあたりキャスティングされた。
ゲッコーステイトのリーダー、ホランド・ノヴァクは
TVアニメでは藤原啓治だったのが森川智之に変更。
クレヨンしんちゃんの野原ひろしも同様のキャスティング変更がされていたのでイメージの統一を図っているのだろうか。逆に復帰された藤原啓治さんは今後ホランドに返り咲かないのか気になるところ。
ゲッコーステイトの操舵士、タルホ・ユーキに根谷美智子。
テイルズ・オブ・ジ・アビスのナタリアや鋼の錬金術師のリザ・ホークアイなど担当。
TVアニメ版ではホランドの兄、デューイの恋人という設定があったが本作ではその絡みがなく、ホランドとの絡みのみとなっている。また、軍属時は公共福祉査察軍機動航空軍少尉と艦長の副官的な立場となっている。
レントンの養父、チャールズ・ビームスに小杉十郎太。
海外ドラマ、映画の吹替他、アニメの声優としても多岐にわたる。
本作でも軍属から民間軍事企業へ出向という形で軍から離れている。
レントンの養母、レイ・ビームスに久川綾。
アニメ、海外作品の吹替を担当しているがアニメ声優の比重が大きい。
代表的なのは美少女戦士セーラームーンのセーラーマーキュリー...ではなかろうか
(一覧を見る限り筆者主観)
チャールズと同じく軍属から民間へ。その過程で結婚していると思われる。
メインどころはこのあたりだと思うのね。
ほとんど新規カットに登場する人たちですね。
では感想にいきます。
レントンのエウレカへの想いを集約した物語
正直いうと感想としては難しいんですが。
分かりづらいよ!とはっきり言いたい。
それでもこれはレントンの成長の物語なんだ。
エウレカセブンなんだ、と言いたい。
本編はまずアドロックとエウレカが塔合軍から造反して自ら構想したネクロシス作戦を阻止する為に奔走するのちにファースト・サマー・オブ・ラブと呼ばれる事件を描く。ここには当時軍にいたホランドやその兄デューイ、タルホ、三賢人といった面々が登場する。その後は現代に戻りTVアニメでいうレントンがゲッコー号から飛び出してビームス夫妻に身を寄せ、そこからまた飛び出したところで物語が始まる。再編集された内容はそこからレントンによる語りという回想という位置づけで展開していく。
分かりやすくいうとアスペクト比4:3は全てレントンの回想ですよ。
語っているのは観ているぼくらに対して言っているようで実はエウレカに対する語りである。つまり、これはガキなレントンの想いや行動、言い訳、それらを整理して成長していく流れを語りながらエウレカへの想いを整理した内容と言える。
何が分かりづらいって
まずはTVアニメから観ている者はビームス夫妻の設定がレントンの里親となっていることですね。これは本来育ての親は祖父のアクセル・サーストンですが、声をあてた青野武が亡くなっている為登場出来ないことからの設定変更。
これが絡んでいて、流れ的にはビームス夫妻の養子だったレントンがエウレカと出会い、家出してゲッコー号に身を寄せ、アクペリエンスによって分解症状を起こしたエウレカに戸惑い、ホランドと対立して飛び出す。ビームス夫妻に再会、身を寄せ、色々な事柄によって整理をつけてもう一度飛び出す、という流れになっているのですが。
これが時系列に説明されていなくてレントンの思い思いに行ったり来たりする。
初見で観ている人はそもそもエウレカセブンにおいての固有名詞やその設定においてけぼりのまま意味の分からない事象を見せつけられ登場人物は何が起こっているの?といった状態なんですね、レントンがなぜそう思い、行動したかの流れは逆に順序立てられているので分かるのではないか、と思うんですが...どうだろ。
また設定変更で気になるのは、ビームス夫妻の他に、
レントンの姉であるダイアンが登場しないのでは?
サマー・オブ・ラブで少なからず登場しても良いと思うんですが、一度も登場しなかった。ホランドもタルホと既に関係を持っているような描写であったことから気になる部分です。レントンも語りの中に姉さんの話題は一切ない。
新規映像に関しては圧巻の一言。
ここに関しては文句なしの出来なのでぜひとも観て欲しい。
板野サーカスの流れを組んだ弾幕やレーザーの演出が素晴らしい。
ここで登場するアドロック・サーストン、古谷徹が声を当てているのでイメージするのはガンダムのアムロ・レイの高めの声。だけど、今回は子どもを持つ30代のヒゲ面のおじさん。イメージが湧かなかったが声が低くなっていて一瞬気付かなかった。
そして曲は文句ないですよね。
このノリはまさにエウレカセブン。
主題歌のGlory Daysはレントンがまさにエウレカに会いにいくぞとばかりの曲でしたね。
最後次回予告はそのまま。
最後の最後でエウレカセブンらしさを感じてしまい、さすが!と思ったもので。
とにかくエウレカセブンらしさは残りつつ、
内容に関しては単純な総集編ではなく、レントンとエウレカに焦点を当てたものになっている。それでいて今回はレントンの感情の経緯を示すように語られるので時系列がメチャクチャである。
これは次回はもう一人の主人公ドミニクの語りではなかろうか、と既に思っていたりもする。
満足度:★★★★★☆☆☆☆☆(5/10)
うーん、らしさは感じられたのでこのあたりです。