人類とAIの思考能力が試される「エクス・マキナ」を観てきました【感想・レビュー】

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カミキユキ(@KamikiYuki)です。
既に日本では公開された映画といえど、地方はやはり少し遅め。
昔のテレビアニメを思わせてくれます。
テレビアニメはネットで配信されたりするのでもう気になりませんが。

今回は「エクス・マキナ」をご紹介します。

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検索エンジン世界最大手のブルーブック社に勤めるプログラマーのケイレブ(ドーナル・グリーソン)は、ほとんど人前に姿を見せない社長のネイサン(オスカー・アイザック)が所有する山荘に招かれる。人里離れた山間の別荘を訪ねると、女性型ロボットのエヴァ(アリシア・ヴィキャンデル)が姿を現す。そこでケイレブは、エヴァに搭載された世界初の実用レベルとなる人工知能の実験に手を貸すことになるが……。

- シネマトゥデイ -

本作はAI(人口知能)をテーマとしたSFスリラー
人前に姿を見せないIT会社の社長、ネイサンに社内抽選で招待されたケイレブが人工知能を搭載したロボット、エヴァの実験に参加する。
人工知能か確かめるテスト、チューリングテストを通して
エヴァ人間と区別のつかないAIなのか、
そして、ネイサンがこの山間の別荘で何をしていたかが明らかになっていく。

アカデミー賞視覚効果賞受賞、脚本賞ノミネート作品
AIロボットエヴァ顔や表情はあたかも人間そのもの。
人間に衣装を着せ、それにうまく無機物を表現した視覚効果は素晴らしい。

"抽選"で"選ばれた"社員のAIとの邂逅

ケイレブネイサンの会社ブルーブックに務める社員。
滅多に顔を見せないネイサンと会える権利を得た彼は別荘を訪れる。
そこで守秘義務を負う代わりに研究していたAIの実験に参加することになる。

行うのはチューリングテストと呼ばれる
人間とコンピュータが対話し、人間は相手がコンピュータであることを
見破れなかったらテストは合格となる。
機械であるか知能があるかを試すテスト。
これを行っている作品が今までのレビューで一つある。 

コンピュータの原理を作ったと言われるアラン・チューリングの半生を描いた作品。
SHERLOCK/シャーロックで有名なベネディクト・カンバーバッチが同作のシャーロック同様にアランの変人っぷりを演じている。
チューリングテスト彼の考案したテスト方法であり、
この作品では警官相手に自身が機械であるかをテストして見せた。

本来チューリングテストとは、人間に相手が人工知能であることを伏せて行う
しかし、ネイサンの実験では人工知能であることを明かし
その上で人間らしく感じるかをテストしている。
しかも、ケイレブは男でAIエヴァには女という性別を与えているのもミソだ。

抽選で招待されたケイレブは幸いにも人工知能の分野は人並み以上に理解していた
彼は作られた人工知能が本当に思考しているのかを確かめる為に
様々なテスト方法を模索する。

しかし、男と女は惹かれ合うもので...

異邦人のケイレブ

ただでさえ一人招待されたケイレブは突然社長と対等の仲に。
そして、人間ではないエヴァとの邂逅。
そこで停電が起こり、カメラが停止するタイミングでエヴァから放たれる言葉

「信用しないで、彼の言う事すべて」

開発者であるネイサンを信用するな、という言葉は
同じ人類であるネイサンを信用できず、器は無機物のエヴァに心を寄せることになる。
ケイレブは人間を心から信用出来ず、心を寄せる者は人間ではない
そんな孤独感の中に身を投じることとなる。

人里離れた別荘という異空間がケイレブと鑑賞者を惑わす!

本作を鑑賞して思うのはこの舞台設定もSFスリラーを引き立てるファクター。
別荘にはケイレブネイサン、使用人と思われるキョウコ以外に人間はおらず、
AIのエヴァがいるのみ。
そんな孤島に取り残された孤独感

ケイレブ

ぼくたち

自分は本当に人間なのか問いたくなる状況へと引き込みます。
正直騙されましたよ、色々と。

また、頻繁に起こる停電、孤独感に追い込んだ状況が
同じ人間のネイサンや得体の知れないAIエヴァそれぞれの恐怖感を煽ります。

人工知能の証明方法はケイレブも予想しない展開に

エヴァの人工知能である証明はケイレブの滞在期間である、
7日間に証明されていくことになります。
エヴァとの対話の度にSession01,02...とカットが入るのですが、
これが途中から「あれ?ここも実験の一環なのか?」と思わせる、
そんな展開が待っています。
ケイレブの考えで進んでいた証明方法が次第に何者かの主導へと...

最後にケイレブネイサンはどうなるのか、
エヴァは人工知能として合格したのか、それは実際に確かめてもらいたいです。