親子の絆がテーマ、FF15の父であり王の立場を描く「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」を観てきました【感想・レビュー】

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カミキユキ(@KamikiYuki)です。
積み映画もあれば、積みゲームも積みプラモもある。
そして夏の祭典に向けた...いやなんでもありません。
とにかくゲームの積みは解消しないといけませんね。

...9月は忙しいもの。
さて、今回はFF15本編と対をなす映画キングスグレイブ/ファイナルファンタジー15をご紹介いたします。

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 神聖なクリスタルを擁する魔法国家ルシスと、そのクリスタルを狙うニフルハイム帝国の対立は、長年続いていた。ニックス・ウリックらルシス国王レギス・ルシス・チェラム直属の特殊部隊・王の剣は、ニフルハイム帝国軍の侵攻に抵抗。しかし、敵の勢いを前に王は王子ノクティスを政略結婚させ、首都インソムニア以外の領地を放棄する。そして、ニックスはインソムニアで王国の存亡を懸けた戦いに身を投じることになり……。

- シネマトゥデイ -

ファイナルファンタジー15のもう一つの物語

本作はスクウェア・エニックスで発売されるファイナルファンタジー
そのナンバリングタイトル最新作、FINAL FANTASY UNIVERSEの一つ。
ファイナルファンタジー15 のテーマは親子の絆
ゲーム本編では魔法国家ルシスの王子ノクティス(ノクト)と
仲間たちの冒険を描く作品になっている。つまりは親子の子がメインの物語
仲間たちとの冒険を描いているので仲間との絆も
一つのテーマになっていると思います。
それに対して映画の本作はノクトの父レギス王の側の物語を描いている。

本作はメインキャストに俳優を起用している。
王直属の特殊部隊・王の剣ニックス綾野剛
ノクトの婚約者ルナフレーナ忽那汐里が演じている。
なお、ゲーム本編では北川里奈が演じている。

綾野剛主演作品

忽那汐里出演作品

監督にはFINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN
Coディレクターを務めた野末武志が関わっているとあって、
製作したのもヴィジュアルワークス部が担当したんでしょ?
どうやら今作は過去失敗したFINAL FANTASY THE MOVIE
ビジュアルエフェクトで参加していたDigic Picturesや、
GAME OF THRONESCGを担当したImage Engine
THE DIVISIONのトレーラーを手がけたUNIT IMAGE
WITCHERシリーズのトレーラーのPlatige Imageなど
映像のプロに協力をあおいでいるとのこと。

冒頭から盛り上がるFFの戦闘

最初状況説明が入ります。
魔法国家ルシスニフルハイム帝国の対立から、
ノクトとルナフレーナの幼少期に起こった事件など
ここだけはちょっとダルいなーとか思うかもしれませんが我慢してください。

ここを抜けると辺境での二国の戦闘が繰り広げられています。
ニックスたち王の剣ニフルハイム帝国魔導兵器と戦うシーンです。
中にはおなじみのベヒーモスを戦ったり、大魔法で蹴散らすシーンは圧巻。
ベヒーモスなんてリアルなサイズだとでかいんですよ!
また、ニックスたちは王より魔法の力を与えられているのでファイアやサンダーも使いますが、メインは短剣を投げてその位置にワープする魔法
これを使うことで瞬時に移動出来るばかりか敵を翻弄して接近戦で戦います。
ゲーム本編でもノクト様々な武器を投げてワープするアクションを使います。

人間ドラマもしっかり見せてくれる

ルシスの側は首都を除く領地を放棄することになりますが、
これが移民者ばかりの王の剣のメンバーに大きな波紋を残す事になります。
故郷に帰れる時を思って戦っていた彼らにとってその行為は裏切りでした。
国民も首都出身はそれで安心する一方、外に住む者たちは帝国領になることで安心するものもいる。
このあたりがリアルなところで、王を含めた国民の想いの違いが描かれています。

ニックス・ウリック

王の剣のメンバー。
過去王に救ってもらったことから恩義を感じている。
王の剣は王より魔法を行使できる力を与えられている。
辺境の街ガラード出身。

ルナフレーナ・ノックス・フルーレ

12年前に帝国領となったテネブラエを治めるフルーレ家の令嬢。
世界の浄化を担う「神凪」の力を持つ。
ノクティス王子とは12年間密かに交流が続いていた。
二国の停戦協定の条件としてノクティスとの婚約が決まり、
王都インソムニアにおもむく。

レギス・ルシス・チェラム

魔法国家ルシスの現国王。
クリスタルの力とそれを介する指輪の力で魔法を与えたり行使できる。
停戦協定を提案するニフルハイム帝国に不穏な気配を感じ、
王子ノクティスを逃がし、ルナフレーナを守る為に密かに尽力する。

タイタス・ドラットー

王の剣を統括し、将軍の肩書きを持つ。
魔法障壁のエリアから外された地域の出身。
騎士道精神と民族の誇りを大切にし、自分にも他人にも厳しい。
ニックスの戦闘の師匠。

イドラ・エルダーキャプト

ニフルハイム帝国の総統。
善政を行った人物だが、30年前を契機に方針が変わり
神を超える強大な力を求めるようになった。
ルシス王国を手中におさめようと画策する。

アーデン・イズニア

ニフルハイム帝国の宰相。
30年前の戦争において兵力を向上させて貢献したことで参謀の地位についた。
常に飄々とした雰囲気を漂わせている読めない人物。
ひろし。

グラウカ

ニフルハイム帝国の将軍
液体金属で作られた鎧をまとっている。
王都攻略を任された人物だが、個人的なことは一切謎な人物

映像は美麗!僕らの望んだFFがここにある!

過去にFINAL FANTASY THE MOVIEがハリウッドスタッフとの共同で製作。
多額の製作費に対して奮わなく、スクエニを赤字に追い込みました。

その後、FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDRENを映像作品として製作。
社内のトレーラーを製作するヴィジュアルワークス部が映画のノウハウがない状態
製作し、FFVIIコンピレーションの最高の幕開けを示しました。
しかしあくまで映像作品、映画として多くの劇場で公開するには至りません。

今作は映画を前提として製作。
ゲーム本編では描ききれない親の視点で同じ時間を描いています。
映像は過去の映像作品を越えた美麗で実写と疑う映像。
剣と魔法、ベヒーモスやアーリマンなどおなじみのモンスターが登場し(あのタコとか)
かたや、飛空艇魔導兵器も登場する。
FFに慣れ親しんだ人はこれを待ってた!と言わんばかりの作品です。

地味な展開で終わるかと思いきやメッチャ主人公してた

この映画、ベヒーモス相手の戦闘とかあっても地味な作品と思いきや、
終盤はとんでもないスケールのアクションが待っていました。
話の流れで、「こいつ、もしかしてアレなんじゃね?」とか
「最終的にニックスは〜〜しちゃうよね?」と予想出来てしまう展開ではある。
でも、未来の王を守る為の戦いって大筋的に些末な話と思わせておきながら
ニックスはすごく主人公している作品でした。
分かっているとはいえ熱い展開なんだなー
魔法の力を借り受けただけの一兵卒が敵ボスと対峙する終盤は
ホントに熱い!一つの作品として楽しめる内容だと思います。

また、レギス王の父親として、王としての生き様
見た目おじいさんなのに(正確には魔法の副作用で老化がはやい)、バトルシーンとか
「このおっさんマジかっけー!」と言わざる負えない。
移民や格差問題で叩かれるけどカッコいいですわ。

この作品を観ることでFF15本編では
本作で未来の王と呼ばれているノクティスへの重圧が感じられます。
体験版などプレイする限りでは和気あいあいとしたロードムービーでしたが
その根底にはそういう重みを秘めていると思ってプレイ出来そう。
ゲーム本編が楽しみですわ。

映像作品の土台は本場で調達

本作品は世界規模で評価されるよう英語アフレコをベースに製作しています。
要は逆輸入して日本語吹替をしているようなもの。
なので日本語版で観ると口パクっぽく見えるシーンもあります。

フルCG作品ですので、キャラクターの表情や動作はモーションキャプチャで作られています。ここにもこだわりがあり、キャスティングはイギリスの舞台俳優の人にお願いしたのだとか。
イギリスは舞台の歴史が長く、動作や表情の作り方まで職人芸と言われます。

また、音楽もFF15本編同様、下村陽子が担当しています。
それをハリウッド映画音楽で演奏しているとあって、映画ならではの盛り上がりを出しています。それに関してですがAllegedやアニメ版キャスパーなどのジョン・グラハムが映画ベースに編曲。それどころか映画版の方は音楽も担当されているそうです。

 

以上、世界設定や状況説明と前提である部分に予習は必要。
冒頭の話で理解できれば別ですが。
それ以降は映画単体でも十分楽しめる作品であり、
ゲームとは違い、110分の作品ですので気軽に観れるかなと思います。

あと、ご覧になるならスタッフロールで立ち上がらず最後までご覧ください。