あらゆる愛が歪んでいく「マジカル・ガール」を観てきました【感想・レビュー】
カミキユキ(@KamikiYuki)です。
地方在住ですと、公開されるにしても数ヶ月先だったりして
タイトルによってはレンタルで借りてこようかなってのが多々あります。
今回の「マジカルガール」も公開からちょっと経ってますね。
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こちらの記事にある動画で紹介されています。
失業中であるうえに、娘のアリシアが白血病で余命いくばくもないという過酷な状況に置かれているルイス。ある日、彼は日本製アニメ「魔法少女ユキコ」の大ファンである娘が、キャラクターのコスチュームを着て踊りたいと願っているのを知る。父親としてアリシアの望みをかなえるべく、高価なコスチュームを手に入れようと奔走するルイス。しかし、そんな彼の決意と行動が、元教師ダミアンと心に闇を抱えている女性バルバラを巻き込み、悲愴な事件を招くことになる。
- シネマトゥデイ -
全ては魔法少女ユキコからはじまった
この作品は3部構成で成り立っています。
それぞれ中心人物が違います。
全て語るとネタバレになるので最初の登場人物のみ...
アリシアは日本のアニメ、魔法少女ユキコの大ファンで
願いの一つにその衣装を着ることをノートに書いていました。
白血病で残り少ない命ゆえに父親ルイスは彼女の願いを叶えようと応えます。
タバコや酒など大人になるまで経験出来ないこと、
そして願いにあった衣装を着せること。
しかし、衣装は日本人デザイナーが作った一点物ゆえにネットで90万円もします。
失業中の彼はどうにかしてお金をやりくりして手に入れようとします。
そしてアクセサリーショップに盗みに入ろうとしますが...そこで空から黄色い液体が...
この作品、最近観ることの減った映像で状況を説明するタイプの映画で
なんでも説明を求める人にはオススメできないです。
アリシアの病気も元気に踊っていると思ったら突然倒れて
次のシーンは病院、ああ病気なんだな、と。
願いの一つに「13歳になること」とあり、残り少ない命なんだな、と
ルイスも持ってる本を売ろうと量り売りの店で作品批評して釣り上げようとしてたり
いかにもお金がない、といったシーンがあります。
ちなみに未だにそれで読み取るタイプで
2,3部で登場する人物の関係や人物像が掴めない人がいます。
何か残されていたか、いやないんじゃないか...?
これは愛が人を歪めていくお話でした
作品の構成上、観賞後は何か見落としていないか考えるのに必死で
え、この作品の落としどころはどこだったのか、
この作品が何を伝えたかったのか、
分からず仕舞いでした。
実はこの作品の登場人物たちはみな、愛ゆえの行動を起こしています。
- 愛する者を喜ばせたい、
- 愛する者との関係を守りたい
- 愛する者を助けたい
そんな動機を持ってしてはじまった行動は
次第に歪んでいき、行き過ぎた行動や衝動で自身を壊していきます。
そして誰しも救われない、擁護出来ない
失業中の父が娘を喜ばせる為に奮闘するハートフルストーリーかと思いきや
行動は堕落の一途。
結果的に誰も幸せになれない結末が待ち構えているのです。
もう一つ、彼らはすれ違いによって悲劇を生み出したとも言えます。
- あそこで待っていれば、強く止めていれば
- あそこで信じていれば、行動が早計だった
- もっと相手を理解していれば、理性で抑えていれば...
後悔以前にそれに気づく事もなく結果が待ち構えている。
そんな終わりを迎える。
トップに表示されている幸せの絶頂にいるアリシア。
この場面、そのあと何が起こるとも知らないまま...
伏線というパズルのピースは回収されないまま...
マジカルガールとは誰だったのか
さて、結局マジカルガールとは誰だったのでしょうか。
鑑賞前であれば魔法少女と直訳して、
ユキコを指すか、そのドレスを望んだ娘なのか...
個人的には途中で登場する彼女が魔性の女ーーマジカルガールではないのか
いや結局全てのはじまり、魔法少女ユキコかもしれない...