因果応報、少女は女子高生で世を動かす「少女」を観てきました【感想・レビュー】

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カミキユキ(@KamikiYuki)です。
今月2本目の映画も邦画です。今月は多分邦画しかないな。
109シネマズは109シネマデーなので1100円で見れた10日です。

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親友の死体を目撃したという転校生の話を聞いて以来、由紀(本田翼)は人が死ぬ瞬間を見たいと思うようになる。高校2年生の夏休みに小児科病棟でボランティアを始めた彼女は、余命わずかな少年たちに近付き自らの願望をかなえようとする。一方、由紀の親友でかつていじめを受けた敦子(山本美月)は、人が亡くなる瞬間を見れば生きる気力を取り戻せると考え、老人ホームでボランティアを始めるが……。

- シネマトゥデイ -

映画化された告白白ゆき姫殺人事件湊かなえが原作。
繕い裁つ人三島有紀子監督作品。
予告から純粋な興味から人が死ぬ瞬間を見たい女子高生の物語。
片や余命わずかな小児科病棟の少年たち、もう片方は老人ホームでボランティアをすることで死の瞬間を待つ少女二人が主軸に展開されます。

湊かなえと言えばぼくが観たのは白ゆき姫殺人事件
誰もが認める美人OLを殺した犯人と疑われる同期のOL。
彼女が行方を眩ましたあと、周辺の人々やメディアが消えた容疑者を口々に話す。テレビ局で働くフリーのディレクターが事件を調査することで関係者の様々な憶測を聞きそれをSNSに拡散。偏向した報道は真実を曇らせて行く。
誰もが情報を発信できる現代、あることないことで人々の運命が変わって行く真理を描いた作品でした。
ディレクター役の綾野剛がすげーゲス。

 

登場する主要なキャストは以下の通り

桜井由紀(本田翼)

桜川高校2年生。
読書好きで敦子をモデルとした小説を書いている。
親友の敦子からは何を考えているか分からないと思われている。
認知症の祖母、父母と暮らしている。

草野敦子(山本美月)

桜川高校2年生。
剣道部だったが試合の事故で傷を負っている。
クラスメイトにはイジメの対象にされている。

高雄孝夫(稲垣吾郎)

老人ホームで働くバツイチの青年。
ボランティアに来た敦子に冷たく当たる。

児童病棟に入院しているタッチー&昴の片割れ。
手術成功率7%という難病を抱えていることで由紀のターゲットとなる。

太一

児童病棟に入院しているタッチー&昴の片割れ。
昴の手術前に離婚した父親に会わせてあげたいと由紀に懇願する。

滝沢紫織(佐藤玲)

由紀たちのクラスに転校して来た少女。
二人に親友の死体を見たと告白する。

小倉一樹(児嶋一哉)

桜川高校の国語教師。
由紀が小説を書いているのを知っており、自身も過去親友と同人誌を書いていた。
その親友がミステリー作家であり、その親友であることを自慢するのがテンプレ。

牧瀬光(真剣祐)

由紀と交際している地元の男子進学校に通う少年。
電車の投身自殺を目の当たりにして人の死に魅入られている。

 

 

本田翼といえばドラマ観てないので分からないけど
映画で観たのはアオハライド
彼女自身カワイイんだけど、作品的に光らなかったのかたまに気になる演技があるんですよね。なんか違う的な...
というかアオハライドは原作知らない方が楽しめたでしょうね。

そして稲垣吾郎
SMAPの騒動が前後する中、俳優として登場。
彼の陰のあるキャラクターは何か潜めてそうで気になりますね。
何かあろうがなかろうがそう思わせてくれる。

 

 

では感想の方に入ります。

 

 

 

これはエグい話なんじゃないか、と思って観るのが吉。

原作未読にとってはいかにもエグい話っぽい。
そんな気持ちで臨んで正解だった作品です。こういう予告編詐欺というか誘導はぼく大歓迎です。そもそもミステリー要素なんてないと思って観てたので最終的に騙されたーとか話が繋がるのは大好き。
結局ミステリー要素あるよって言っちゃってるけど、予告編の先入観で臨むことをオススメします。

それでいて多感な高校生時代を描いていて、恋愛要素はほぼないにしても青春っぽい描写は少なからずありました。なんていうか青い春っていうかブラックな青春だね。
少なくともキレイな青春ではない、うん。

本田翼の演技は少し気になるところはあるものの、
元々天真爛漫なキャラクターはカワイイし自然、
反面、どす黒い感情を見せるシーンは「こうやって蔑まれたら喜ぶファンいそう」とか邪推なことを考えてマッチしたものと思ったり、たまに大げさだなと思う演技もあった。

稲垣吾郎は本当に何かやってそうでしたね。
あの雰囲気は彼ならではでしょうね。
そして物語のキーパーソン、小倉演じる児嶋一哉
いつもの「児嶋だよ!」の突っ込みからは想像のつかない普通の人でしたね、キーパーソンの割に出番少ないけど、一種の爪痕だよね。

気になるテーマ、キーワード。

最近観る映画って色んな視点から見えるテーマやキーワードがありますね。
この少女も単純なタイトルから想像のつかないキーワードが散りばめられています。

因果応報

この言葉は度々登場します。
まず言葉にするのは由紀の認知症の祖母。
その言葉を教えてもらった人がそれを行使するが特徴ですね。

イジメ

学校生活にはありがちなことですね。
イジメを受けている敦子はあからさまイジメからLINEや裏サイトで行う陰湿なものまで様々。更にはイジメは学校社会だけでなく...

痴漢と冤罪

女子高生を狙った淫行の反面、それを逆手にとった冤罪。
痴漢冤罪は本当たちが悪い。

女子高生は世界を動かす

これは上記の冤罪の話ですね。
援交もそうですが、女子高生というのは一種の武器みたいな表現がされている。

不幸の連鎖

因果応報に繋がる場合もありますが、逆に不幸を与えられるとその周りにも与えてしまうという連鎖が起こっています。
これが最終的に思いもよらぬラストへ。

親友

由紀と敦子も関係も親友ですが、
この作品には様々なところで親友という関係が登場。
親友の定義も関係もそれぞれ異なっています。

 

気分が落ち込んだ人は救われる?もしかしたら悪化する?

しかし実際ブラックな箇所は精神的にグサッときて容赦ない。
イジメのシーンはグロとかはないけど、暗い気持ちへと追い込んでくるし、痴漢の冤罪という女子高生の闇が悲劇を生むのかそれ以前に問題があるのか起源の分からない不幸の連鎖は途方もない恐ろしさである。
最終的には救いともとれるラストには振り返って思うところがあるだろう。
演劇で語るかのごとく大げさな演技が見える本田翼だが、親友を憂う姿や怒りの矛先を大人に向けるダークな雰囲気、子ども相手に無邪気に笑う姿を見ていると感情の幅の広さを一つをキャラクターで演じているのには感服である。

とりあえず本田翼カワイイ。