子どもたちは決断する「デジモンアドベンチャーtri.第6章 ぼくらの未来」を観てきました【感想・レビュー】

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とうとうデジモンアドベンチャー続編終わります!
ここまで半分惰性、半分期待を込めて観てきましたよっと。

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暴走するメイクーモンが暗黒進化したテイルモンを取り込み、とてつもない力を備えたオルディネモンに変化し、現実世界がデジタルワールドにのまれてしまいそうになる。石田ヤマトたちは、八神太一がいなくても世界を救うために奮闘していた。一方、ホメオスタシスはオルディネモンを処分すべく、ある計画を進めようとしており……。
- シネマトゥデイ -

1999年に放送されたデジモンアドベンチャーシリーズの続編にして
2005年を舞台にした作品です。第1章が公開された時は
まぁ色々賛否両論ありました。

まずは前回までの状況を説明していきます。
1〜5章のネタバレを含むので嫌な人は飛ばすなり戻ってください。
本編である6章の感想はネタバレを控えてはいます。

 

 

 

 

 

 

八神太一が再び主人公で無印の8人と新たに登場した望月芽心が選ばれし子どもたちに加え、新たなデジモン、メイクーモンが登場。
現実世界に感染デジモンと呼ばれる暴走したデジモンが街を襲うようになりました。
しかし現実世界でもゲンナイの協力の下、デジモンに対抗する組織が出来ていました。その中で姫川マキ西島大吾が子どもたちの身近な存在として動いていました。
ここまでが第1章。

02で登場した本宮大輔たちは消息不明のままですが、
デジモンカイザーブイモンワームモンの究極進化系インペリアルドラモンの登場で
仲間となった一乗寺賢が裏切ったのではないかという疑念。
姫川は一連の感染デジモンの暴走の裏に何か知ってるような節があること。
それが感染デジモンの原因がメイクーモンだったという事実。
レオモンの消滅など衝撃的な展開で引いた第2章でした。

3章はまずパタモンが感染。
そして光を介して語られるリブート
それは感染デジモンによる浸食でデジタルワールドや現実世界にも影響を与えてしまうのでデジタルワールドの事象をリセットする行為。
それを行えばパートナーデジモンの記憶も消えてしまう
パートナーデジモンたちは歪みに入ったまま、リブートは実行されました。
そして舞台はデジタルワールドへ。
デジモンカイザーは一乗寺賢ではなくゲンナイ!?
相対するのは姫川マキ

4章では姫川マキ西島大吾の過去が語られました。
彼らは過去に選ばれし子どもたちとしてデジタルワールドに行っていました。
ダークマスターズと相対する彼らは何かしらの事象でパートナーデジモンを失う結果に。姫川マキはその時からどこか抜け殻となり、いつしかゲンナイの姿をしている謎の男と結託し、リブートを誘発。リセットされた世界にパートナーであるバグモンと再会することを目的としていました。
当の子ども達は記憶を失ったパートナーと遭遇。打ち解けて行く中、ピヨモンはそりが合わずピヨモンが疑心暗鬼に。
そこにムゲンドラモンやメタルシードラモンの2体が登場。突如襲われます。
芽心もあとを追って記憶を唯一失っていないメイクーモンと再会。
子ども達とも合流し謎の男が操るかの2体と戦うことになります。
そこで空とピヨモンが和解し、ピヨモンはホウオウモンへ究極進化。さらっとパタモンもセラフィモンに究極進化。ムゲンドラモンを撃破。
しかし、その間に芽心にゲンナイの魔の手が。
彼は芽心を危機的状況にし、メイクーモンの暴走を誘発するのでした。

5章は最終的に少し勢いを取り戻しましたね。
まずイグドラシルホメオスタシスそれぞれの思惑がわかってきます。
謎の男が進めるイグドラシルはメイクーモンの暴走によって
現実世界とデジタルワールドを一つにして新たな世界として統治することを目的としていました。人類に絶望し、劣等種と烙印を押したからです。
対するハックモンを使者とするホメオスタシスは、
そんな混乱する世界を正すべく、メイクーモンを亡き者にしようとします。
そしてこの章は選ばれし子どもたちたる所以を問われました。
現実世界からも、デジタルワールドからも
選んだホメオスタシスからも...
どこからも拒絶される彼らはなぜ選ばれたのか、それは問いのまま。
そして人間とデジモンという異なる存在が共生出来るのか
異物と嫌悪するのかというテーマが提示されました。
その中でメイクーモンを取り戻す為に行動する子どもたちは世界の脅威を連れまわす狂人扱いで警察に追い回されデジモンを匿いつつも捕まってしまいます。
西島に助けられる形でなんとかなるものの、
騒ぎから家に帰ることが出来ず学校に隠れることに...
ここで日常シーンがまた辛かった。
芽心は自分のせいでこんな状況になったことに落ち込みますが
太一とアグモンによって励まされます。
最後はハックモンの究極体であるジエスモン、アルファモン、メイクーモンの変異体であるラグエルモン、オメガモンで混戦。

「メイちゃんを殺して」

希望を失わない子どもたちに励まされていた芽心も決断し、太一たちに懇願します。
対立する太一とヤマトでしたが意を決して行動に移りますが
戦いの中で大地に沈む太一とそれに手を伸ばす西島が消え、
その事実を受け止められないヒカリがテイルモンを暗黒進化。
オファニモンフォールダウンモードとなり、
ラグエルモンに吸収される形で幕を引きました。

この段階で太一の脱落(まぁ生きてるだろうけど)
なかなか衝撃的な引きでしたね。
ここから02の未来にどう繋がるのか、
気になるのはリブートで記憶を失ったパートナーたちや
1章で消えていた02の選ばれし子ども、大輔たちがどうなるのか
このあたりどう収拾つけてくれるか気になるところです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ではここから6章の感想です。

 

 

 

 

 

 

子どもたちは決断した!だけど何も終わってない。

一言で言うと広げた風呂敷は畳んでくれたなー
不満もツッコミもあるけど、一応収拾ついたから大筋はOKかな。

という感想です。
最近TVアニメ観て思うのが、各話の脚本は頑張ってるのにシリーズ構成が...というのがあるじゃないですか。この作品の場合、逆なのかな?
大筋はいいけど細かなシナリオや演出が...と思ってしまう。
だから大筋は良い終わりだったよ、と言っておきます。

最終章である今回は
太一西島が崩れる大地に沈み、それに絶望したヒカリを描くところから。
ずっと隣にいた兄が突如日常からいなくなる...
という強烈な印象を彼女の心象風景で描いています。
そしてデジタルワールドに飲み込まれる現実世界。
子どもたちはリーダーであった太一がいなくなった事実を
どこか実感出来ないまま現実世界に戻ってきます。

この章は率先して前に立っていた太一を失うことで
子どもたち各々が
太一ならどう行動するか、
自分はどうしたいか、
どうすればいいのか、
それを問いながら行動していく章です。
特に幼馴染であるや常に対立したり認め合っていたヤマト、妹のヒカリ、彼女を心配するタケル、参謀役として常に隣にいて彼を慕っていた光四郎。彼らは各々決断して行動していくのが見られます。
芽心も少し落ち込む様子も見られましたが、自分が今出来ることを見つけて行動していく、今まで一番鬱陶しさがないほど成長した姿を感じられました。

そして、太一は、西島は...

そんな中、芽心の父である望月教授の前に現れるハックモン
彼は最終計画を仄めかします。
これがまたある種とんでもない手段で。


今回、全体的に選ばれし子どもたちは
自分で選んで、決断した。
最終的に特筆すると、ヤマト、ヒカリ、芽心あたりは自立したと
そう思えるセリフが聞けたのが良かったかと。
あとリブートへの回答がよかったですね。
まさかここまで島根や鳥取をリスペクトするとは...。

そして、最後に登場するオメガモンマーシナルモード
いやぁカッコよかった。
どこかの某新機動戦記の翼生えたアレに見えなくもなかったけど
いや、カッコよかった!
ここの戦闘シーンはぼくらのウォーゲームオメガモンの戦闘シーンを彷彿させる良いシーンでした。他にもラグエルモンオファニモンの融合したオルディネモンの戦闘シーンは結構頑張ってるなぁと思えました。今までで一番大きいからね。なんていうかカメラワークがすごかった、ああいうカットにするんだ、みたいな。

でも、これ...何も終わってないじゃん。
そこは最後に語りたいと思います。

今回のツッコミと不満点

おそらく方々で語られる当時のデジモンファンが
同人作品のような二次創作をしちゃった
という要素がこのあたりじゃないかと思います。
いや、そもそも大筋を認めてない人もいるかもしれませんが...。

デジタルワールドの住人はミーハー?

ミーハーとはちょっと違うけど
今回日常シーンが少なからず存在して少し心配でしたが、まぁそこはいいでしょう。言いたいのはデジモンかるたってなんだよ!あ、謎の男も「踊れ!」の件で何か言ってたけど忘れちゃった。
リブートで記憶を失ったデジモンたちやデジタルワールドに存在しない知らない知識をあたかも常識のようにデジモンや謎の男が話すのに違和感を拭えない。人間を見た記憶のないデジモンが結婚だのおじいさんだのどこで知識を得るんだ...。
ヤマトとガブモンのシーンは良いシーンのはずなのにちょっと冷めちゃった。

説明不足ゆえにご都合主義が否めない

これもう言うしかないな。
太一生きてます、西島も...生きてます。
いや、でもさ目を覚ました場所でなぜ生きてるかとか、なぜそこにいるのか説明されないまま話が進むのでなんて予定調和だ、と思ったもので。
リブートへの回答はまぁ用意されていたシナリオっぽいのでいいか。

畳んだ風呂敷と終わらないものたち

今回子どもたちが選んで決断した。
これには5章で問われた選ばれし子どもたちである所以に一つの回答をもたらしました。彼らは選ばれるままじゃない、自身で選んだ、それが2年半かけて描いたtriの意味だったと結論づけました。
02への未来にあたる子どもたちの将来も少し導線が見えました。

それでも終わらないのは
...まずこの問題、何も終わってないのです。
イグドラシルホメオスタシスの対立には一つの幕引きがありましたが
畳まなかった風呂敷には数多く残っています。
ラストは語れないので気になるセリフとか抜粋します。

「まだその姿のままなんだな」(うろ覚え)

ハックモンデジモンカイザーの姿をした謎の男にかけた言葉です。
正体を晒した(謎のままだけど)謎の男ですが、
この姿には何かしらこだわりがあるようです。
...またヴァンデモン*1じゃないよね?

融合しかけるデジタルワールドと現実世界

この状態になったことはのちのち意味を持ちそう
主にメイクーモンに...それ以上語れない。

リブートへの回答は彼らに福音をもたらすか?

この一連のリブートの一連の事件は
正直、謎の男のシナリオ通りだと思うのです。
リブートからその回答まで全て。
リブートによって全てのデジモンの記憶は消去され、
初期化されたことは様々なデジモンたちに福音をもたらしたことでしょう
その回答を得られるまでが...。
想像通りならカオスな展開が待ち受けてそう。

で、公開日以降に新プロジェクトの話が持ち上がりました。

これね、デジモンアドベンチャーのことですね。
途中から気づいてたけどちゃんと締めくくったなと思うと同時に
でかいものを広げたままだなぁ...ほっといてもいいけど
ということを思ったんです。
それはここまででぼくが言及しながらも書いてないことです。

 

満足度:★★★☆☆☆☆(6/10)

5章からは失速してないのと一応締めくくったことはよかった。
未回収とツッコミどころを加味したらそのまま

ところで姫川さん、あなたはどこへいくんですか?

 

*1:無印も強大な敵として02でもラスボスとして登場した黒幕