魔法の世界においてあくまで人間が主人公だった「メアリと魔女の花」を観てきました【感想・レビュー】

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カミキユキ(@KamikiYuki)です。 
今回はジブリっぽいと言われていたこの作品です。

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無邪気で不器用な少女メアリは、森で7年に1度しか咲かない不思議な花“夜間飛行”を見つける。この花は、魔女の国から盗み出された禁断の花だった。一夜限りの不思議な力を得たメアリは、魔法大学“エンドア”への入学を許されるが、あるうそをついたことから大事件に発展してしまい……。
- シネマトゥデイ -

ー魔女再び
のキャッチコピーで以前から話題になっていた作品。
ジブリを思わせるキャラクターデザイン。
正確にはジブリ出身の米林宏昌が監督するスタジオポノックの作品。

米林宏昌はもののけ姫以降のジブリ作品の原画に携わり、
借りぐらしのアリエッティ思い出のマーニーの監督を務めた人物。
この2作品まだ観れていませんな...

主演はメアリの杉咲花
湯を沸かすほどの熱い愛では宮沢りえ演じる双葉娘、安澄役を演じて注目を浴びました。そりゃあんなに身体張った演技されればね、すごいよね。
思い出のマーニーで声優されてますね、彩香役。
個人的に印象に残っているのはMOZU大杉刑事の娘、めぐみですかね。この作品のせいであまり味の素CMの美少女の印象は皆無だった。 

そしてピーター神木隆之介
もう声優も板についてきたか、千と千尋の神隠しは当時から自然でしたし、ちょっと前には君の名は。で主演の一人として大活躍でしたね。
何度もいうがSPECシリーズのニノマエは彼の演技を幅を拡げた良い役柄。 

魔法学校の校長マダム・マンブルチューク天海祐希
宝塚出身で多くのドラマ、映画に出演し、アニメ作品にも声を当てました。
ミニオンズスカーレット・オーバーキルは良いキャラだった。 

魔法学校の教師ドクター・デイ小日向文世
多分声優初挑戦なのか?普通に演じてそうだけどな。

魔法学校の箒小屋の番人フラナガン佐藤二朗
イン・サイド・ヘッドではビンボンに声を当てる。
個性豊かな人物なのでやってるものだと思ったけどそんなに声優はやってないんですね。この人が俳優として演じる役柄は結構原作から外れてふざけたキャラクター多いので楽しいです。まぁ本作ではそんなことないだろうけど。

他、メアリが越してくる家の住人他の中で
女主人のシャーロットに大竹しのぶ、バンクスに渡辺えり、ゼベディに遠藤憲一。

 

 

 

 

では長々と書くのいいだろ、
ということで感想いきます。

 

 

 

 

音楽の映える王道ファンタジー

予告編でも感じられたが音楽が実にいい
前に出過ぎているとも言えなくないが必要なところで
上手く演出されており内容的に楽しめてた。
田舎に越して退屈の限りだったメアリだったが
魔女の花と呼ばれる夜間飛行を見つけたことで
魔法の世界に足を踏み入れる。
しかし好奇心とその場しのぎの行動でピーターを人質に取られてしまう。
彼を救うためにもう一度魔法の世界に赴くといった王道ファンタジー。

テイストがジブリっぽいジブリファンタジー特有の昔懐かしさは感じられず街並みはレトロだが要素は電気も魔法の一部と呼ぶほど現代っぽいものも多い
魔術を思わせる錬金術と思えば近いかもしれない。
どっちかというと現代の科学を魔法に置き換えたニュアンスに感じる要素が多々ある。
全体的に魔法らしさは箒に乗るくらいで
あとは科学に近い気もするが魔女の宅急便よりは魔法を使っている
しかし魔女の宅急便のが魔女らしさは出ている。

不満といえばキャラクターが掘り下げられていない点
ストーリー全体に物足りなさは感じるところ。
もちろん親子で見るには分かりやすいストーリーとなっており
作品に秘めたメッセージも心の片隅に残りそうな内容で
単純に楽しめる作品になっています。

 

物足りなさを掘り下げる。

終盤で思ったことが

え、もう終わりそう?

尺はそこそこあったがもう終わりなのか、
あっという間というよりもう少しないの?と思ったのが本音。
それにはいくつかあげられる。
まずはキャラクターが掘り下げられていない。
メアリは越してきたばかりで大叔母のシャーロットを慕っている。
自身の優位性を示そうと空回りしている少女。
ピーターは地元の貧乏なメッセンジャー。
メアリは親しくないばかりか初対面は印象最悪。

次に魔法は多く登場した気がするが、メアリ自身が魔法をあまり使っていない
彼女はかざすだけで魔法を使える本を手に入れることになるが使った魔法はただ一つである。なお、これに関してはメアリは限定的に魔法が使えるようになった少女だが、あくまでメアリは人間として描いている、それを意図した作品だと解釈している。

この作品は魔法の世界を夢見ているが肯定はしていない
結果的に魔法からの脱却を示唆しているのだ、
ラストのメアリのセリフがまさにそう。
魔法を否定もしてないが、肯定もしていない。
魔法に頼るなら責任もとれよ、といわんばかりのラストな気もする。

家族で観るなら十分

結論としては魔女再びなんてキャッチいらなかった。
精々今夜だけは魔女なんだ、くらいだろう。
ジブリで寄せるのはイメージだけで十分ではなかろうか。
とはいえ、家族で観に来て子どもが満足してくれる作品としては十分な出来だと思います。大人も日常に置き換えた時の戒めにでもなればいいなー。