死体蘇生技術が普及した仮想19世紀でジョン・ワトソンが主人公「屍者の帝国」part1

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昨年「屍者の帝国」を鑑賞しました。
伊藤計劃の残した30枚の原稿を元に円城塔が執筆した作品の映画版。
Project itohで書かれた3作をアニメ映画化するプロジェクト1作目。
本来なら3作とも既に映画化されているはずですが、
2作目の「虐殺器官」が諸事情でまだ制作中。
3作目の「ハーモニー」は劇場公開を経てBD/DVD化。
本作もBD/DVD化され購入したので2回に分けてご紹介します。

今回は作品紹介。

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19世紀末のロンドンでは死体蘇生技術が飛躍的に進歩し、すでに亡くなった人々を労働力として有効活用していた。優秀な医学生のジョンは、内密にイギリス政府が運営するウォルシンガム機関から召集がかかり、ある秘密の任務を請け負う。彼は伝説の書物であるヴィクターの手記を求め、唯一の手掛かりと思われるアフガニスタン奥地へと向かう。

- シネマトゥデイ -

 

「屍者の帝国」とは

死者蘇生術により屍者を労働力にしていた仮想19世紀の物語。
蘇生術といっても死んだ者が蘇ったわけではなく、肉体として蘇らせるだけ。
なので言葉は話せません。
魂は戻ってこないため、人がプラグラムしたコードを入力することでそのコードの通りに行動します。蘇生術を使える者は蘇生技術とコードを書ける人間のことを指し、主人公であるジョン・ワトソンはそれに当たります。
ただ、ヴェクターの作った最初の屍者「ザ・ワン」は言葉を話せたそうです。ジョンは病気で死んでしまった友人フライデーを屍者として蘇らせ、ザ・ワンを作ったヴェクターの手記を見つけるために行動。政府の諜報機関ウォルシンガム機関のMの指示でアフガニスタンに調査へ行きます。
その流れでアフガンから日本、アメリカと転々と冒険していきます。

キャラクター原案をredjuice、制作はWIT STUDIO

映画と原作の相違点

この映画版で原作と異なるのはジョンの目的です。
あらすじを観る限りは結構端折ってるみたいです、すいませんぼく未読です。

映画版ではフライデーはかつての親友で、フライデーの魂を呼び戻すことが延長線上にあります。
原作のフライデーはMが当てた記録用の屍者でジョンとはなんの関連もないのだとか。
ここの違いは視聴者の感情移入出来るよう歩み寄った設定と受け取れます。
ただ研究者としてヴェクターの手記を手に入れる道程ではなく、友人を蘇らせるという目的があるだけでもっと若い年代にも受け入れられる設定にしています。

フィクションや歴史上の人物の登場

この作品では他の作品の登場人物や歴史上有名な人物が登場します。

主人公のジョン・ワトソンはシャーロック・ホームズの冒険より。
シャーロック・ホームズの冒険でもジョン・ワトソンはホームズに会う前に軍医としてアフガニスタンに派遣されます。負傷してイギリスに戻ってきますね。

Mは元ネタは同じくシャーロック・ホームズの兄、マイクロフトを指しています。
原作では探偵業をしている弟がどうとか...言ってるのかな?
007にもMが登場しますね。

フライデーはロビンソン・クルーソーの登場人物。
ロビンソンが島に流れ着いて助けた捕虜につけた名前。

ジョンの同行者のフレデリック・バーナビーは実在する人物でタイムズの特派員。

などなど様々な19世紀にちなんだものがあるので探してみると面白いです。
またラストでは上手く彼らのその後の展開。
あーこう繋がるようにしてるんだな、伊達にその名前にしてないわ...

 

 

次回は購入したBD内容を含めてご紹介します。