互いに隣人なのか異物なのか「デジモンアドベンチャーtri.第5章 共生」を観てきました【感想・レビュー】
前回のレビュー見ると結構なモチベーションで書いてるんだな、俺。
今回そうでもない自分にびっくりしている。
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再びメイクーモンが暴走したことによって現実世界に異変が起き、デジモンたちがゆがみを通して出現する。デジタルワールドから疎外された“選ばれし子どもたち”は現実世界へ戻ってくるが、デジモンと一緒にいるために人々に追われる。メイクーモンのパートナー、望月芽心が苦悩する一方、過酷な運命は八神ヒカリにも迫っており……。
- シネマトゥデイ -
1999年に放送されたデジモンアドベンチャーシリーズの続編にして
2005年を舞台にした作品です。一昨年第1章が公開され
まぁ色々賛否両論ありました。
まずは前回までの状況を説明していきます。
1〜4章のネタバレを含むので嫌な人は飛ばすなり戻ってください。
本編である5章の感想はネタバレを控えてはいます。
八神太一が再び主人公で無印の8人と新たに登場した望月芽心が選ばれし子どもたちに加え、新たなデジモン、メイクーモンが登場。
現実世界に感染デジモンと呼ばれる暴走したデジモンが街を襲うようになりました。
しかし現実世界でもゲンナイの協力の下、デジモンに対抗する組織が出来ていました。その中で姫川マキと西島大吾が子どもたちの身近な存在として動いていました。
ここまでが第1章。
02で登場した本宮大輔たちは消息不明のままですが、
デジモンカイザーにブイモンとワームモンの究極進化系インペリアルドラモンの登場で
仲間となった一乗寺賢が裏切ったのではないかという疑念。
姫川は一連の感染デジモンの暴走の裏に何か知ってるような節があること。
それが感染デジモンの原因がメイクーモンだったという事実。
レオモンの消滅など衝撃的な展開で引いた第2章でした。
3章はまずパタモンが感染。
そして光を介して語られるリブート。
それは感染デジモンによる浸食でデジタルワールドや現実世界にも影響を与えてしまうのでデジタルワールドの事象をリセットする行為。
それを行えばパートナーデジモンの記憶も消えてしまう。
パートナーデジモンたちは歪みに入ったまま、リブートは実行されました。
そして舞台はデジタルワールドへ。
デジモンカイザーは一乗寺賢ではなくゲンナイ!?
相対するのは姫川マキ
4章では姫川マキと西島大吾の過去が語られました。
彼らは過去に選ばれし子どもたちとしてデジタルワールドに行っていました。
ダークマスターズと相対する彼らは何かしらの事象でパートナーデジモンを失う結果に。姫川マキはその時からどこか抜け殻となり、いつしかゲンナイの姿をしている謎の男と結託し、リブートを誘発。リセットされた世界にパートナーであるバグモンと再会することを目的としていました。
当の子ども達は記憶を失ったパートナーと遭遇。打ち解けて行く中、空とピヨモンはそりが合わずピヨモンが疑心暗鬼に。
そこにムゲンドラモンやメタルシードラモンの2体が登場。突如襲われます。
芽心もあとを追って記憶を唯一失っていないメイクーモンと再会。
子ども達とも合流し謎の男が操るかの2体と戦うことになります。
そこで空とピヨモンが和解し、ピヨモンはホウオウモンへ究極進化。さらっとパタモンもセラフィモンに究極進化。ムゲンドラモンを撃破。
しかし、その間に芽心にゲンナイの魔の手が。
彼は芽心を危機的状況にし、メイクーモンの暴走を誘発するのでした。
ここまでで分かっているのは謎の男とアルファモンはデジタルワールドの神とも言えるイグドラシルの意思で動いています。彼らは人間を下等な生物としてデジモンとの融和を望んでいません。その為、メイクーモンを暴走させリブートを促進しているわけです。
対するホメオスタシスという世界の調和を守る存在がいて、こちらはリブートについて仄めかしていましたが、元々選ばれし子ども達を選んでいた側というのがなんとなく出てきます。元々無印でもヒカリの身体を通じて話していましたしね。
イグドラシルとは違う思惑のようですが...。
ではここから5章の感想です。
失速から少し取り戻した?人とデジモンの関係が悪化する回
この章はメイクーモンが暴走して世界が歪み出すところから。
現実世界へのゲートが開きデジモンたちが侵攻、メイクーモンも同じく出現と消失を繰り返して人々の目に触れて行きます。
そして不安定なデジタルワールドを逃げ惑う子ども達と、
現実世界の西島大吾と芽心の父親、望月教授とのシーンを交互に語りながら進みます。ここで語られるのは密かに監視をしていたハックモンがホメオスタシス側であり、騒動の真相が語られることになります。
今回焦点が当たるのは生まれるべきではなかったと言われるメイクーモンへの言葉に戸惑う芽心と事の次第を冷静に見出した太一、そしてアグモン。
存在悪とまで言われたメイクーモンのパートナーである芽心は選ばれるべき子どもであったのか、メイクーモンに必要な存在であったのか自信を失って行く。
太一はそんな落ち込む芽心を励ましていきます。
しかし現実世界に戻ってくると分かる、人間とデジモンの関係の溝。
メイクーモンが原因で人々にはデジモンが大きな脅威に見えて行きます。
今回のテーマは選ばれし子ども達たる所以、そして共生か否か
この章では選ばれし子ども達はあらゆるところで邪見に扱われます。
デジタルワールドからは邪魔者扱いされ、
現実世界では世界の脅威を連れ歩く子ども、
ホメオスタシスには余計なことをするな、と言われる。
そして切り捨てられる。
真相を知った西島はいう
「切り捨てるならなぜ選んだ!?」(だったっけ)
子ども達もあとで同じようなセリフをしゃべりますね。
芽心も選ばれる意味と問い、子ども達は芽心には選ばれてから今までのことを否定しないで、と伝える。
現実世界はデジモンを否定し、
デジタルワールドは現実世界を否定する。
互いに否定する生きづらい二つの世界に彼らは確かな絆を持つ。
ここからどう02の未来*1に持って行くのか
残り1章でどう畳み掛けるのか気になるところです。
それでも色々強引だな、と思う要素たち
4章より勢いは取り戻したな、と思える今回。
でも気になるところがあるので抜粋。
本格的に遊ぶシーンへの展開が強引
一連のシリアスから逸脱した本格的に遊ぶシーンへは酷いことに定評のある本作。
2章の学園祭はまだ問題の渦中ではなかったので気にならなかったけど
3章の終わりからこれまでは緊張感の解け方がおかしいほど突然遊びに入る。今まではまだ納得の域だが今回の怪談は無理があるなぁ...。
後述するがそのあとのシーンは十分にあり。
やっぱり芽心&メイクーモンコンビが辛い
辛いのはこのコンビ...というか芽心ですね。
子ども達に励まされて立ち直ったと思えばすぐに落ち込む。
このコンビは設定上すごい重荷を背負っているので
折れるのは分からなくもないですが、窮地に陥る度にこうなると観ている側はなんでこいつ選ばれたんだ!?と言い兼ねないほど落ち込んでいるので辛い。
あとアグモンの食べ物ネタはくどいの極み。
しかし怪談後に落ち込む芽心(何回目だよ)に声をかける太一とアグモンの件はGJ。
それを観察するデジモンたちのやりとりもGJ(主にテントモン)
八神太一の物語に期待
ここまででやっぱり、この作品は八神太一が外交官へ至る物語*2
ではないかと思えるほど太一の成長物語なんだなぁ。
猪突猛進だった彼が周りが見えるようになって思い悩んで、
立場が逆転したヤマトとの関係。
その答えが出せなかったのがこの章で出せそうなところまで来ている。
今回はセリフもいちいちカッコいいのが多いですね。
たまにダメダメなところを見せるのもらしいっちゃらしい。
それがあのラストになってしまうとは...。
それぞれの子ども達に一通り焦点があたったら太一へと回帰。
大人になっていく子ども達に期待です。
あ、そういえば姫川さん、あなたどこへ行くんですか?
満足度:★★★★★★☆☆☆☆(6/10)
4章よりは巻き上げたかな?ということでこの満足度。