思念を読み取る探偵「スキャナー記憶のカケラをよむ男」を観てきました。

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カミキユキ(@KamikiYuki)です。
みんなズートピアとかアイアムアヒーローとかレビュー書いてるので
ぼくは皆が書いてないような映画に挑戦。
「スキャナー記憶のカケラをよむ男」を観てきました。

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残留思念を読み取ることができる仙石和彦(野村萬斎)は、かつてその能力を生かしてお笑いコンビ「マイティーズ」で注目を浴びたが、能力を消耗してしまいコンビを解散、世間から隠れるように暮らしていた。そんな折、元相方マイティ丸山(宮迫博之)の所属事務所を訪れた女子高生が行方不明者の捜索を依頼したことから、仙石と丸山は10年ぶりに再会するが……。

- シネマトゥデイ -

「のぼうの城」の野村萬斎主演、宮迫博之共演の本作。
また平成ガメラシリーズデスノート金子修介監督。
脚本は「探偵はBARにいる」「エイプリルフールズ」古沢良太。
ミステリーものに残留思念を読み取るファクターを加えた異色もの。

金子監督ついでとばかりこんな記事でお話しされています。

あらすじはあまり正しくないんですが
正確には能力を使って自分の心をすり減らしたことで解散します。
解散してから丸山はピン芸人でやっていくのですが観客を誹謗中傷してネタが始まる前に追い出される始末、加えて借金の取り立てがくる。
なんとも最悪なキャラクター。

一方仙石は心をすり減らした=人間の汚いものばかり見せられたことで人付き合いの少ないマンションの管理人として暮らしています。
趣味は熱帯魚の飼育。1匹1匹に名前をつけています。

そんなところに女子高生が行方不明になった音楽の先生を探して欲しいと願いでます。これを嫌々引き受けた仙石行方不明の捜索から誘拐殺人事件に繋がっていきます。

ドラマでも良かったじゃない?

この作品、あらすじからもドラマで良かったんじゃない?
がよぎります。
異能力ネタをぶちこんで映像効果もつけているのでドラマじゃ終われない。
脚本はこのご時世珍しくオリジナルで、最近よくあるマンガ原作ではありません。
マンガや小説原作は話題性が強いので効果抜群。
それに対してオリジナルで単純なミステリーは弱いですね。
そこに残留思念を読み取って何が起こったのかを断片的に知っていく筋書きを作ったのでしょう。映像効果だけでなく、爆発など少し派手な道具演出も行っています。

残留思念にした理由とは

なぜこの作品、事件時の再現にしなかったのか。
それは再現だと本当に警察要らないになる。
あるいは再現することで真実が分からなくなるトリックが必要です。
逆転裁判シリーズでそんなトリックがあったような気がしないでもない。
この残留思念というのは物や場所に残った思念であり、残り方に強弱があるものとして定義づけられています。その為、曖昧なものとして捉えられます。

また、人の想いや感情が残ったもの。
劇中では記憶が残っているという捉えられ方もしています。
それが残った記憶がねつ造されたもの、思い込んだものだったとしたら真実から遠ざかっていきます。
分かった事実をどう料理できるかが試されます。

まぁよくある設定ではあるんですけど。

彼が何者なのか、犯人は何者なのか

ストーリーとしては良かったです。
人間の業もあれば人間の美しさ(というか木村文乃の美しさ)を見せた作品でした。
ある意味次回作を期待したい作品。
残留思念を読める男、仙石は過去の記憶がなく
能力ゆえの人付き合いがうまくいかない記憶だけ
人の汚い面だけを見る事となった彼は事件を通して救われていくのですが
結局彼は何者なのか、という謎が残ってしまう。

更に実はこいつ怪しいな、という人物がチラホラ出てきていて
事件の結末には弱いなぁという印象でした。
劇中、事件の背景である回想が何度か流れますが、真実が明かされる時に後付けにように付け加えられるのもなんだかな。
まぁ後付け部分は真実が明かされたあとに仙石が読み取るので仕方ないのですが。
整理してみると理屈にあった物語の展開はしているのですね。

しかしやっぱり物足りない感。

丸山の売れない様だけは露骨過ぎですけど。
正直いうとレンタルビデオでいいかな、と思います。

野村萬斎の今までにない演技と
木村文乃がキレイだったことだけ
でも見れて儲け物だったと思う事にします。